人生の可能性を拓くために −「信、行、解」

 仕事柄、いろいろな若者と接しますが、その中で、「この若者は、自分で自分の可能性をつぶしてしまっているな。もったいないな」と感じることがあります。何かをする前に、自分のちっぽけな頭で考え、結論を先に出してしまい、結局はなにも行動しない若者です。

 何ごともやってみなくちゃわからない。だから、とにかく失敗を恐れず、やってみる。そして仮に失敗したとしても、そこから学ぶことはたくさんあるということです。

 人生の意味が分からないって、一度は誰でも悩むことがあります。それへの答えは簡単です。人生の意味は、人生を送ってみなくちゃ分からない。初めからわかっていたなら、人生を送る必要はない、ってことです。

 何事もやってみなくちゃ分からない、ってのが、人生の問いへの正解です。自分のちっぽけな頭で考えて、さっさと結論を出してしまうってのが、解答の中でもっとも選んではいけない選択肢です。

 「信、行、解(しん、ぎょう、げ)」。つまり、信じて、行なって、そして解る、ということです。ところが頭でっかち人間は、「解、行、信(げ、ぎょう、しん)」となってしまっているのです。解ってから行なうでは、自分のちっぽけな頭で理解できないことには、決して手を出すことがありません。これでは、いつまでたっても、自分の小さな枠を超えることが出来ないのです。いつまでたっても自分の知っている小さな世界の中だけで生きていくことになるのです。なんともったいない人生なんでしょう。

 「信じてやってみる、そしてやってみて初めてその意味が解る」。この「信、行、解」の理(ことわり)を、忘れないようにしましょう。その反対の、解ったら、やってみる、というのは、なんと自分のちっぽけな頭を過信している人なんでしょう。(総文字数:736字)