「たまたま」を「たまたま」で終わらせない

 これからバングラに向かいます。とっても良いタイミングです。グラミン銀行のユヌス総裁が解任されたというニュースの直後で、実際に現地の様子はどうかを調べられます。日本では、あがめたてまつられているユヌス氏ですが、かねてより現地での評価は違うと言われてきましたので、今回はそのことを実際に感じられる機会です。
 日本ポリグルの小田会長も行っていて、日本人学生100名と共に、ダッカの街をきれいにするそうです。雪国まいたけの佐竹常務も行っていて、同じホテルに宿泊の予約を入れてくれました。小田会長とも佐竹常務とも、ダッカでお酒を飲んでバングラ情勢を語ることが出来ます。JETROの所長とも、JICAの所長とも懇親会をもたせていただけます。これでバングラの現状はだいたい把握できるのではないでしょうか。なんて素晴らしいタイミングでしょう。一緒に行く23名の学生の皆様にとっても素晴らしい機会ですね。
 かつて、リーマンショックが起こった日に、たまたまアメリカにいて、現地の状況が分かりました。それより以前では、シアトルで開催のWTO閣僚会議が、世界中から集まってきた人々のデモによって流れた時も、ダウンタウンを練り歩くデモの様子を間近で見られました。いずれも、事前にはまったく予期せず、たまたまでしたがラッキーでした。こういう巡り合わせはとっても大事です。
私の師匠がよく言っていました。運も実力のうちと。今回のたまたまの巡り合わせも、とっても有り難いです。このたまたまを、自らの血となし肉となして、実力に結び付けられるようにしなければと身が引き締まります。
 今回、BOPの入門書を出すにあたって、実際におこなっている日本人ビジネス・パーソンの方々からお話をうかがう機会がたくさんありました。その中で分かったことは、たまたまの出会いをチャンスに結び付けられているということです。たまたまを、たまたまの出来事だけで終わらせずに、成功のステップにしていく、この能力がとっても大事ですね。たまたまのことを、その価値を見抜けずに、そのまま流してしまっているということが多いのかもしれません。
 たまたま出会った妻ですが、4回目でプロポーズして、今は本当に有り難いです。彼女のおかげで、私も日々、磨かれて成長できます。たまたまこそチャンス。たまたまを磨け!