「和僑(わきょう)」こそ日本人の活路

 ケニアから成田空港に着くと、そこは別世界。地面に穴だけが開いていて、ハエが飛び交い気絶しそうな悪臭をはなつトイレから、ウォシュレット付きのきれいなトイレに戻ってくると、日本人に生まれた幸運に感謝で一杯になります。たまたま日本に生まれから、こんな豊かな生活を送れます。たまたまケニアに生まれたら、あの恐ろしいトイレの生活。


 とはいえ、今の日本の豊かさは、虚構の豊かさであり、砂上の楼閣です。近いうちに崩れ去ります。給料40万円にもかかわらず48万円を借金し、その上さらに5万円を貯金から取り崩して、毎月93万円で暮らしているんですから、そりゃあ一見、豊かで幸せそうに見えます。でも、そんな借金まみれの生活が、いつまでも続けられるなんてことは、どう考えても不可能です。しかし、これが日本の今の現実であり、氷山にぶつかる直前のタイタニック号なのです。
 だから答えはただ一つ。ぶつかって沈没する前に他の船に飛び移るのです。つまり、日本から世界に出て、「和僑」になるのです。自分の生まれた国を愛するのは誰でも同じ。とはいえ沈む船と運命を共にするのは賢明とはいえなく、「和僑」となって世界に飛び出し、沈没した後の再建にいどむのです。全員が沈没する船と運命を共にしたら、日本人が絶滅するからね。
 「和僑」とは、世界のどこに行っても、したたかに生き延びていける力をもった日本人。次代をになう若者の皆さん、「和僑」を目指そう。