「世界から貧困をなくす学生たちの昼食懇親会」での質問への答え

 昨日はBOPビジネスに関心をもっている大学院生・学生の方々と昼食懇親会を開催しました。経済産業省でBOPビジネスを担当している小山課長にもご参加いただいて、親しくお話しいただきました。「ハングリー精神ゼロだけど、誰かの役に立ちたいと思っている若者」たちとの懇談は、こちらもとても学ばせていただくことの多い機会でした。
 いくつかの代表的な質問に対する答えを書いておきます。

(Q)卒論でBOPビジネスについて書きたい。
(A)まだあまり研究の蓄積もない上に、日本企業のサクセス・ストーリーも少ない状況では、かなり研究に苦戦が予想されます。英語の文献をどんどん読んで書けるならOKです。これまでに書かれたBOPに関する英語論文は100本くらいしかありません。日本語では皆無に近い状況です。


(Q)BOPビジネスが出来るような企業に就職したい。
(A)まだ機が熟していませんから、いまの段階で直接的にBOPビジネスを意識して就職活動をしても難しいです。就職活動中にBOPビジネスといっても、人事担当者自体がBOPビジネスについて何にも分かっていないでしょうから、マイナス効果になります。30代で自分のやりたいBOPビジネスに取り組めるよう、いまは力を蓄えるときです。新卒でBOPを攻略できるほどあまくはありません。


(Q)BOPビジネスの今後の展望は。
(A)経済産業省や外務省、最近では農林水産省もBOPビジネスを推進する方向に舵を切っています。21世紀のキーワードは、「sustainability(持続可能性)」。そのために貧困問題は避けて通れず、それに対して、革新的で効率的で継続的なビジネスによるアプローチが最も有効です。BOPビジネスは必ず花開きます。