BOPビジネス・プロフェッショナル・ファシリテーター

 中国の思想家、老子が「聞いたことは忘れる」と言ったように、ただ聞きっぱなしじゃ忘れてしまうので、先日のBOPビジネスワークショップから学んだことをまとめておきます。学生の皆さんには、いつも話を聞いた後でリポート提出を求めているのに、自分がやらないんじゃ口先だけになっちゃうからね。
 「商社にとってBOPビジネスは難しく、どこで利益を出すかが課題となる。NGOとの連携は難しいが絶対必要。企業家精神のある現地人と一緒にやらないと出来ない。アフリカはその広さがネックで、村と村が分散していて移動に時間がかかる。社会の安定には農村がカギとなる。商社にとっては、BOPは規模として合わない。」
 「大企業が相手にするような市場規模じゃないニッチだから、中小企業には合っている。非常に関心はあるものの、どのようにBOPビジネスと結びつけるのかが課題。技術系中小企業にチャンスはあると思うが、情報不足、資金不足、人材不足で、既存事業で手一杯。意外な発見は、団塊の世代が強い興味を示しており、現在のBOPと似たような生活を経験していることもあって、BOPビジネスで役割を果たせるのではないか。」
 「BOP向けの素晴らしい製品も数多く出されてきてはいるが、ほとんど外国製。日本から創り出す時。BOPへの熱意の高まりはすごいが、なかなか具体的な形をみいだせない。オープン・プラット・フォームで、デザイン改良とスペック改良をすすめたい。」
 以上をくっつけて結論をつくると、技術をもった中小企業がNGOと連携して、団塊の世代の力を活用し、日本発のBOP向け製品を作り出していくとき。だけど、BOPからニーズがあがってくることはなく、良いものを作ってもBOPは反応しない。さらに販売網もネックとなる。この辺全体をファシリテートする役回りを果たす人や組織が必要。しかし、こんなすごい役回りを果たせる人って、そうそういないよね。BOPビジネス・プロフェッショナル・ファシリテーターって新しい職業が求められているかな。