世の中はdifferentで満ちている、だからチャンスがゴロゴロ

 桜がすでに散ってしまった東京から札幌に到着すると雪が降っていてビックリ。同じ日本でもこんなに違うんだってことを改めて気づかされます。そう、世の中は違いにあふれている、違っていなければおかしいのです。この「違い」こそが、とっても大切なのです。キーワードは、differentなのだ。
 昨日、小樽商大での2回目の貿易論講義終了後、学生の皆さんから寄せられたフィードバック。いかに自分たちは「同じ」を求められる環境でそだってきたかがよく分かり、そして「違う」ということが大切なのだということを思い知った、というような声が多く寄せられました。とにかく、人と同じ、周りと同じを強いるのが日本の社会。だからこそ、違っていることが大切です。
 ビジネスの基本は「違い」。つまり、たくさんあるところから、ないところに運ぶことによって、利益が生まれます。江戸時代、紀伊国屋文左衛門が、ミカンを紀州から江戸に運んで富をなしたという話は、ビジネスの原則を語っています。ある年、紀州は驚くほどミカンが大豊作だったにもかかわらず、嵐のために江戸への航路は閉ざされていたので、江戸へ運べなくなってしまったのです。そのため、紀州ではミカンの価格は暴落、一方、紀州からミカンが運ばれてこない江戸では、価格は高騰(経済の大原則=少ないものの価値は高くなる)。この違いに目をつけて、紀伊国屋文左衛門は命がけで、紀州から江戸にミカンを運んで、巨額の富を手に入れたのでした(という話は、すでに国際経営論の講義でしましたね)。
 この「違い=差」があるからビジネスは成り立つのです。だから、いつも「違い」を意識して、世の中のいたるところにある違いに敏感になっておくと、新しい世界が見えてきます。