古いものにこそ価値がある

 昨日、日本の伝統芸能である「能」の舞台を初めて観る機会がありました。能の衣装をつけた姿は圧巻。やはり本物はすごい、って感じました。能っていうと、これまでテレビでチラッと観る程度で、気味悪いお面をつけて、なんか古臭くてつまんないって印象をもっていました。しかし、本物はまったく違っていて、すごかった。能はかつて大名達が楽しむ娯楽だったというのですから、素晴らしいに決まっていますよね。本物に直接触れて初めて分かりました。
 時間の経過を経て生き残ってきたものは、やはり本物。本物に直接、たくさん触れることが人生を豊かにしますよね。新しもの好きの日本人ですが、新しいもののほとんどは、すぐに消え去ってしまいます。つい私達は「新○○」とか「新しい○○」って表現に反応しがちです。しかし、「古い○○」にこそ価値があり、日本にはその古い○○がたくさんあります。この点、たかだか200年の歴史しかないアメリカは太刀打ちできません。日本人は「新しい」を売りにするのではなく「古い」世界で勝負できるんですね。
 古い本物は途上国にもたくさんあって、それが「先人の知恵」です。それを発掘してイノベーションを起こす、それがBOPビジネスです。スラム街の現場に行って、そこの本物に触れる。これがBOPビジネスの第一歩。まず、いかなくちゃ。日本にいて、あーでもない、こーでもないって、話している段階はもう終わりです。何事も、やるか、やらないか、そこにかかっているよね。
 この春、行動を起こす学生をとっても頼もしく嬉しく思います。春休みにインドヘ向う学生3名、一年休学して外国へ向う学生5名。あまりの効果に、菅原自身もびっくり。あらためて襟正す思いです。