とにかく、なんでも交渉(9月11日、ロンドンにて)

 今回、ロンドン滞在中の経験を通して、再認識したことは交渉力の大切さです。ロンドン、初日。飛行機は朝5時過ぎにヒースロー空港に到着し、ホテルには10時前に着きました。チェックインが12時だと聞いたので、いったん解散し、12時に再集合。そこで、いざチェックインしようとすると、グループの場合は、チェックインが午後2時だというのです。長い時間、飛行機に乗った後で、一刻も早くシャワーを浴びてリフレッシュしたいところ、いまさらそんなことを言われたってです。そこから交渉開始。
 12時にチェックインできるといわれたと主張しても、フロントマンは、それは旅行会社のミスだと言います。こちらは、それは旅行会社のミスであって、こちらのミスではない、6つぐらい空いている部屋はあるだろう、だから探してくれと粘ります。
 ここで探し始めてくれて、無事に部屋の鍵を受け取りました。そこで終わってはいけません。このフロントマンに、あんたの親切とホスピタリティに感謝すると、ほめまくり、最後に私はあんたの名前を覚えなければならないと持ち上げました。彼の表情はとっても嬉しそうでした。相手を喜ばす、これが基本。
 次に、3日目に別のホテルへ移動。ここはとっても大きなホテルなので、午後2時からのチェックインは、そうとう混みあうことが予想されました。案の定、ロビーは2時前から長蛇の列。一人ひとり、フロントで宿泊者名簿に記入して手続きをしていくのですから、まともに並んだら1時間以上かかる可能性があります。ここでも、またまた交渉開始です。私達は16人のグループなんだから、優先的に手続きをしてほしいとお願いして、フロントの横から特別にやってもらって、無事終了。
 どちらのホテルでも、交渉していなかったら、時間の無駄。すなわちお金のムダ。今回の旅行費用を滞在日数で割ると、一日あたりのコストは3万円。それをさらに、一日15時間行動すると仮定して15で割ると、一時間あたり2千円です。16人が1時間まったら、それだけで、2千円かける16人で、3万2千円の無駄になります。
 引っ込み思案で、我慢強く、言われたままになっている日本人は、相当いるはずで、いたるところで損が発生しているだろうなと容易に想像がつきます。この小さな損が積み重なって、日本全体での大きな損につながります。日本は外交下手で、交渉力がないので、経済力があるにもかかわらず、政治力を発揮できずに世界では軽く見られます。これはとっても悔しいことです。ジャップと言われて、なめられている日本人から、世界が尊敬する日本へと変えるのは、若者達の使命です。日本人は、十分にそれに値する資質をもっているのだから。自分達を卑下したり、へりくだるのはやめようね。どこでも、どうどうといこうぜ。知力と交渉力をつけて、世界に出よう。