書類選考を通過する文章の書き方

 新年度のゼミナール(演習)がまもなく始まります。今年度は2部でもゼミを行うので、募集しました。多くの学生の皆さんから応募をいただいて、嬉しい限りですが、定員があるので、不合格者を出さなければなりません。これが、なかなか悩むところです。全員合格にしたいところを、提出された応募書類を熟読して数名を落としました。
 今回のことを通してあらためて思うことは、きらっと光る文章を書くトレーニングを日頃しっかりと積んでおかないと、ずーっと落ち続けるということです。今回は、ランクA(必ず合格)、ランクB(まあ合格)、ランクC(合格ライン上ぎりぎり)、ランクD(ダメ)に分けました。悩ましいのはランクCで、どこで線を引くかです。
 基準は3つ。(1)まず形式。志望理由欄をびっしり使って書いてあるかどうかです。3分の一ぐらいしか使っていないものは、即座にDです。何をするにも、与えられているものはすべて使い切るということが鉄則です。字数指定されてるなら、それを目いっぱい使い切ること。(2)次に当然ながら、内容。他との違いをどれだけ出せるか。違いがなければ、その他大勢に埋もれてしまって、選ばれるわけがありません。読み手が、ここがポイントだなとマーカーで線を引けるような箇所がないといけません。(3)最後は合格ライン上ぎりぎりの場合、紙一重で明暗が分かれます。この辺になると、底辺の争いなので、ばさっと全員ダメにするか、全員OKにするか、あるいはどこかで線を引くか。これは選考者しだい。運と相性も大きいでしょうね。要は、運任せのランクCに入らないということです。
 使って逆効果なのは、「よろしくお願いいたします」という表現で終わること。上位で合格する学生は、この表現を一切使っていません。よろしくと言われたって、ダメなものはダメ。その分の字数を、より自分をアピールすることに使うべきです。