謙虚、時間管理、誠実

Seattle2009-02-10


 ジム・ズムワルト氏(アメリカ大使館首席公使)を囲んでの居酒屋懇親会に出席した学生から、リポートがぼちぼち提出され始めています。それらを読むと、改めて驚きです。同じ話を聞いていても、人によってこんなに関心をもつ所が違うんですね。
 これを話し手の立場から考えると、キーメッセージを明確にして話さないと、意図したこととは違うことが伝わってしまう可能性が高いということです。常に、キーワード、キーメッセージを具体的に、明確にして考え、そして話す癖をつけなくてはなりません。これは癖なので、トレーニングによって癖にしてしまえば、あとは簡単に出来るようになります。自分は何を伝えたいのか。本人が曖昧であれば、他の人に明確に伝わるわけはありませんよね。
 さて、今回、菅原がジム・ズムワルト氏との懇親会から学んだことは、謙虚、時間管理、誠実です。やはり世の一流の人はみんな、謙虚で腰が低く、決して威張っている所がありません。「稔るほど頭をたれる稲穂かな」です。本物かどうかを見分ける基本的尺度の第一は、威張っているかどうかです。
 ジムさんに、「大使館でどんな仕事をされているのですか。そして、そこにおいて最も大変なことは何ですか」と尋ねましたところ、会社のCEO(Chief Executive Office: 最高経営責任者)のようなことをしているので、大使館の仕事すべてに関わっているとのこと。そこで一番大切なことは、time management(時間管理)。限られた時間をいかに有効に使うか。これは誰にとっても当てはまることです。
 人間は生まれながらにして平等なんて言うのはウソっぱちで、生まれながらにして不平等です。唯一、金持ち、貧乏人に関係なく平等なのは、一日が24時間であるということ。だから、この平等な24時間をいかに使うかで、差がつくんですね。学生の頃は、たいてい時間管理ってことにまったく無縁だと思います。それはそれの良さはあるんだけど、何かの目標に向って時間管理をするトレーニングを積んでおくと、その後の人生が違ってくるでしょうね。
 そして3点目は、ジムさんの誠実さです。居酒屋懇親会の日は、朝からスケジュールがびっしり。なおかつ、札幌に来る前から体調を崩されていたようで、飲み物も水を注文しただけで、ほとんど何も食べられませんでした。できれば一緒に来た奥様とゆっくり休息の時間を過ごしたかったでしょうに。それにもかかわらず、ご自身の不調はおいといて、学生たちとの約束のために、誠実にお付き合いいただきました。心より感謝申し上げます。