いまだ真夏の台湾で、日本のことを考えた

 いまだ最高気温30度を越える台湾から、秋空さわやかな札幌へ戻ってきました。台北、台中、台南を回って、企業と大学を訪問し得ることの多い大変有意義な時間でした。新幹線が完成していたので、移動がとっても楽。なんて恵まれた時代に生まれているんだろうと感謝です。「異質なものとの出会いが、創造に結びつく」といわれるように、異国に行くと色々な考えが浮かんできます。今後の自分の方向性についても新しいアイディアが浮かびました。ここでは、それとは別に、特に気づいたこと三点について簡単に触れてみます。
 第一に、2社の工場を見せていただいて、そこで働いている方々に頭が下がる思いがしました。工場なのでどうしてもオフィスのような快適な環境ではありません。気温が高くなり、騒音もかなりあります。一年間の収入は50、60万円とのこと。こうやって働いてくれる人たちのおかげで、先進国に住む私たちの快適な生活が成り立っていることを改めて認識しました。このことは決して忘れてはいけないことですね。
 第二に、大学を訪問して、何人かの教授と話をさせていただく機会から、再認識したことがあります。こちらは中国語がまったくできないので、英語での話となりましたけれども、どの先生もみんなアメリカで博士号をとっていて流暢な英語を話します。講義は英語で行われているそうで、アジア(インド、ベトナム、タイ、インドネシアなど)からの留学生も多く学んでいるとのこと。日本の多くの大学よりもはるかにグローバル化が進んでいて、うらやましい限りです。小さな日本の中にいて、井の中の蛙になっていては、ますます世界から取り残されると実感しました。世界に出ようね。世界を近くにしようね。
 第三は、日本以上に地球環境への意識の高さです。現地の人と一緒に食事をしたときに、マイ箸を出したのでビックリです。もちろんマイ・バッグもお持ちでした。台湾では10月といっても猛烈に暑く、地球温暖化の影響をひしひしと感じます。そんな環境ですから、当然、地球環境の悪化に対してもおのずと意識が高くなるのでしょう。また食品についても、「有機」と表示されているものが、とても多く目に付きました。
グローバルな大学教育、地球環境への意識の高さという点では、台湾が日本より進んでいるようでした。