経済学って、なにやら偉そうにしているけれども、使わなければ意味がない

 経済学の基本原理として、「人はインセンティブに反応する。それ以外は、付随的な注釈に過ぎない。」とアメリカの経済学者スティーブン・ランズバーグが言っています。まさにその通りですね。
 菅原が今年度からやり始めた研究では、発展途上国に実際に足を運んで調査する必要があるので、研究費が少しでも多く欲しいわけです。そこで論文を書くと研究費が加算されるというインセンティブに反応して、2ヶ月ほどの間に4本の論文を書きました(完成度はそれほど高くないけれどね)。
 逆に頼まれた原稿にはインセンティブがないので、どうしても後回しになってしまいます。何事においても、ただやれやれと気合を入れるだけだったり、どうかお願いしますと相手の情に訴えていても、先には進まないのですね。相手にとってのインセンティブは何かをよーく考えて、そこをズバッと突くことが大切なんでしょうね。
 大学の講義がつまらないっていう声をよく聞きます。これもインセンティブの欠如が原因です。教員にとっては、いくら熱心に講義をしても、学生はほとんど無反応。もちろん熱心さが給料に反映されるわけもなく、何のインセンティブもないので、だんだん気力が低下して講義の質も下がります。
 学生にしても、講義の内容がどんなことに役立つのかが分からないことが多いので、勉強するためのインセンティブが与えられない状態にあります。真面目にやれば将来役立つとだけいわれ続けて、毎回出席することは不可能でしょう。仮に出席しても、睡魔から逃れることは出来ないでしょうね。
 2008年度の菅原の講義は、月曜日の1時限目に行なわれます。これは非常に魅力的な実験の場になります。経済学の基本原理を徹底的に活用して、いかに欠席、遅刻をなくして、学生と教員が向き合う真剣勝負の場にするか。菅原の力量が問われますね。経済学の基本原理をいくら知っていても、自分で使えなければ意味がないからね。