新宿の飲み会は、料理最低、会話は最高

 熱気と欲望が渦巻く喧騒の新宿で飲み会がありました。杏林大学の4年生の卒業を祝しての追いコンで、卒業生も集まりました。ススキノでは考えられない低レベルの料理を久々に味わい、忘れていた感覚を思い出すと同時に、全体としてベタベタするような不潔感が漂う中でも、それを吹き飛ばす若者達のさわやかなエネルギーを感じました。とっても楽しく、勉強になる素晴らしい時を過ごさせていただいて有難う。
 土曜の夜でこれだけ人が集まっていると、提供するモノやサービスの質なんて関係なくて、なんでもビジネスとして成り立ってしまうという感じです。人が足りなくて、時給1200円じゃないとバイトが集まらないそうです。時給650円の札幌とは大違い。この差を利用して、東京で稼いで地方で使うってのが一番賢いやり方でしょうね。「差」を利用するのが、ビジネスの基本です。
 東京とその他地方の違いは、良い意味でも、悪い意味でもとっても大きいなって感じます。一極集中の日本は、東京を中核としたとっても効率の良いシステムを築き上げていますが、リスク分散という基本原理に反していますから、どこかで方向修正を求められるに違いないだろうなって思います。
 札幌の学生には、ぜひこの混沌としたエネルギー渦巻く夜の東京を知って欲しいと思いますし、東京の学生には、まっとうな人間らしい地方の生活を知って欲しいと思います。大切なことは両方の世界を知っていて、いつも複眼思考が出来るということ。どちらかしか知らないってのが、世界を狭めます。いろいろな世界を経験していると人間としての厚みが出ます。卒業生の北さんが言っていました。「先週お見合いをした男性は、家柄は良いんですけど、人間として薄っぺらで物足りないって感じなんですよね」と。
 4年生の卒業後の進路は多様で、女性自衛官、大学院生、商社などなど、あまりフツーじゃないところが素晴らしい。卒業生もリーマン(サラリーマンの略なんだってね。初めて知ったけど、かっこよく聞こえるよね)としてまっとうな会社人生を送っているだけじゃなくて、自分の人生を探求しているって感じで、拍手喝さいです。
 後さんの話では、某大学の借金は財政破綻した夕張市よりも多くて、銀行から預金凍結されているだって。社長がカンブリア宮殿に出た会社に勤めている永さんの話では、もう2回分のボーナスが出ていないんだって。外ズラ良くても内実は悲惨で、まさに沈み行くタイタニック号。だからテレビ番組を鵜呑みにしちゃいけないんだよね。NHKでディレクターしている林さんの話では、グアムに誰も取材に行きたくないから、じゃんけんで決めるんだって。まあ、世の中の裏って、どこもこんなふうに結構いい加減で面白いんだよね。 
 35歳までは何やったって何とかなるし、失敗してもやり直しが聞くから、みんなどんどんチャレンジして、どんどん失敗しようね。失敗は多ければ多いほど、人生は素晴らしい。あっ、デジカメでみんなの写真を撮るの忘れた。