どんどん忘れて、前向きに進もう

 阪神淡路大震災から、今日でちょうど12年。犠牲になられた方々は今も霊界で無念な思いでいるでしょうし、ご遺族は辛い思いを引きずっていることでしょう。菅原も地震発生の数週間後にボランティアとして現地に滞在しましたので、その時の記憶が久々に蘇りました。
 数週間がたっていたので、水道の水は出るようになっていました。しかしお湯は出ません。そんな状況で汗を流して一日を終えると、夜にどうしても汗を流したくなります。仕方がないので、身を刺すように冷たい水のシャワーを使っていました。一度だけ自衛隊の設営した簡易公衆浴場に入れてもらって、お湯が何って気持ちいいんだろうと感激したことを覚えています。
 食事は一回に、おにぎり2個とタクアン数枚はいったものが、非難している人とボランティアに平等に提供されます。これを一日3回食べていました。この食事に慣れて、自宅に戻ると、どんな食事もなんて有難いんだろうと思えました。
 普段は、蛇口をひねってお湯が出ることを有難いと思うこともないし、コンビニでお金を払ってお弁当を買えることは当たり前。これらがすべて有難いと思え、すべての物に感謝して大切にしようという気持ちになったのはボランティア効果でした。しかし、2週間もすると、このボランティア効果はすっかり薄れて消滅してしまい、そんな殊勝な気持ちはどこかに去ってしまっていました。
 人間はまあ程度の差があっても、何でも忘れるんだよね。忘れるから良いんだよね。うらみ、ねたみ、いかり、かなしみ、こういう気持ちは、みんな忘れてしまうから前進できるのだ。こういう気持ちはマイナス方向のエネルギーを持つから、建設的じゃないよね。うらんだり、ねたんだり、いかったり、悲しんだりするような気持ちはなるべく早く捨て去って、プラス方向のエネルギーに変えてようね。
 「笑いと笑顔」、これが前進の原動力。眉間にしわを寄せていたり、暗い雰囲気を漂わせている人も結構見かけるけど、自分で自分の人生の可能性を狭めているんだね。どんな時も「明るく、前向きに」、これが基本さ。