いかなる成功も、家庭での失敗を償い得ない

 今月の3日(金)は3連休の初日で、東京都内のホテルはどこも満室。一部屋くらいどこか空いているだろうと甘く考えていたので、宿泊予約を入れようとしたのが1週間前。しかし、すべて満室。いくら探してもまったくありません。最悪の選択でしたが、やむやくカプセルホテルに泊まることにしました。
 10年ぶりくらいに利用しましたが、この間にカプセルホテルも、進化していて、シングルだけでなく、セミダブルや、ダブルというのも出来ていました。カプセルホテルの中で、せめてランクを上げようと思って、一人でしたが、1000円プラスで、セミダブルにしました。当然セミダブルですから、二人で泊まっている人たちばかりです。その中で、驚いたことに、お父さんと4歳くらいの娘が一緒に泊まっているという例を2組ほど目にしました。
 幼稚園生くらいの子供がカプセルホテルに泊まっているのですから、一体どういう家庭の事情なんだろう、お母さんは一体どうしているのだろうと、思案せずにはいられません。他の家庭のことですから、余計なお世話でしょうが、温かい家庭環境で子供が育てられているのだろうかと心配になりました。
 また先週、多摩バスに乗っていると、大学生の次のような会話が聞こえてきました。「俺は親父をまったく尊敬していない。尊敬する人は両親と書ける奴がうらやましい。俺はあいつのせいで人生を狂わされた」といっているのです。こんな恐ろしい話をバスの中で友人に平気でしているのですから、そうとう心に傷を負っているのだと思います。どんな事情か分かりませんが、親子関係が崩壊してしまっているのでしょうね。
 人が健全で幸せな生活を送ることが出来るのは、その基盤に暖かい家庭があるからです。ところがどうも、この家庭が崩壊してきている例が最近は増えているように感じます。子供たちの間で多発するいじめや自殺、ウツになる若者の増加などは、心の傷やゆがみが原因であり、家庭に問題があることが多いようです。
 「いかなる成功も、家庭での失敗を償い得ない」といわれますように、家庭で失敗すると失う代償は非常に大きくなり、たとえ社会的に成功してプラスを得たとしても、家庭での失敗というマイナスをチャラにすることは出来ないといわれています。
 結婚する前は、こういわれてもピンと来ませんでしたが、いまは家庭の大切さを実感します。人が成長していく過程で、心に傷をおってしまうと、それを治すにはかなりの時間が必要になります。しかし適切に対処すれば必ず直せます。そして綺麗な心を取り戻して、新しい一歩を踏み出しましょう。どう生きたって人生は一回限り。後ろ向きに生きていては、もったいないですよね。