量より質

 この10日間ほどに、ケーキを3回食べる機会がありました。まず、おじいちゃんの日(父の日の一週間前を我が家ではこのように勝手に決めている)、二回目は父の日、三回目はママの誕生日。このうち二回目までは、都内のデパ地下のケーキ屋さんで買ったブランド物のケーキ、三回目は地元秩父のフジヤのケーキ。まったく味が違うことに、今さらながらに驚きました。
 またケーキの前の食事では、ワインを飲みました。2回目までは、国産メーカーのワイン。3回目はフランス産シャブリ。これもまったく味が違います。その時その時は、それぞれ美味しいと思っていましたが、比べるとはっきりと違うことが分かります。
 さらに3回目には、天然ものの鯛をまるごと一匹、焼いたり、蒸したりして食べました(たぶん菅原の人生で初めて、そして最後かも)。簡単に調理できて、こんなに美味いとは。鯛の美味しさに開眼したって感じです。養殖の鯛はいっぱい出回ってますが、天然ものを自分で買って食べることはないよね(もちろん今回のは、もらいものさ)。
 やっぱりすべてのものには、当たり前だけど、ピンからキリまであるんだよね。どの分野でも一流を見、一流に触れ、一流を知るってことが大切なんだね。10日間のささやかな贅沢を通して、改めて知った真実でした。
 人生は短く、やりたいことは山のようにある。限りある時間、お金、エネルギーを3流、4流に費やしていると貧相な人生になっちゃう。5回安物の牛丼を食べるなら、その分で1回美味しいステーキを食べたほうがいいのだ。3流試合をたくさん見るより、超一流のプレーを一回見たほうがいいのだ。ジャンクブックを何冊も読むより、名著を一冊読むほうがいいのだ。つまらない友達がたくさんいるより、切磋琢磨しあえる数少ない友人のほうがはるかに大切。俺は何人の女の子と付き合ったなんていってるより、生涯を共に出来る女性をたった一人見つければいいのだ。