思い込みを捨てよう

 戦争の時に人をたくさん殺すと勲章がもらえます。今、同じことをしたら死刑です。ブッシュがイラクで、誤爆といって、罪なき一般人を何人殺しても、罪には問われません。われわれが、人を殺してしまって、誤りでしたといっても、許してもらえません。一夫多妻制のケニアでは、妻が5人いたら、その男性の力の象徴で賞賛されます。日本で同じことをしたら、刑務所行きです。
 このように、同じことをしても、評価がまったく異なります。ですから、何が正しくて、何が正しくないかということの絶対的な基準というものは、あまりないのです。正しいと自分が勝手に思い込んできたことを疑うこと、また絶対に相手が間違っていると思うことでも、相手の立場に立って考え直してみること、こういうことはとっても大切です。
 「科学的=正しい、非科学的=誤り」と、私たちは思い込まされてきましたが、これも根拠のないことです。科学的とか合理的とか論理的なんて言葉が使われていると、つい信じたくなりますが、それもまた危なっかしいことなのです。