常識を疑うこと

 幼稚園から大学に至るまで、教室の前には黒板(最近はホワイトボード)があって、そこに向かって、机が並んでいます。そして、先生が授業の大部分を一方的に話しまくって、児童・生徒・学生は、ただそれを聞くだけ、というのが一般的なスタイルです。どうして誰もこんな非効率的授業スタイルに疑問をもたないのでしょうか?
 人間は聞いたことの10%くらいしか覚えていない、ということが実証されています。私たちはみんな、次のような経験をもっているでしょう。先週の講義内容をどれだけ思い出すことができるでしょうか?講演会の内容を翌週になっても覚えているでしょうか?たいてい忘れているよね。それは、あなたの頭が悪いのではなくて、平均的人間なら当たり前のことなんです。
 ビジネスという観点からすると、こんな非効率な事業はすぐに成り立たなくなるよね。大学の講義は一こま約4000円。4000円も払って、さらに90分も拘束されて、その結果、翌週になればほとんど内容を忘れているのです。コスト・パフォーマンスという観点からすると、こんな講義の方法は、あまりにもひどいよね。吸収率10%のサプリメントなんか誰も飲まないよね。どうして誰も文句を言わないのでしょう。どうして、こんなにも生産性の低いことが、いたるところで、延々と繰り返され続けているのでしょう。これは人類にとって膨大な無駄を垂れ流し続けていることです。とっても不思議だよね。(えっ、教育にはビジネスの論理は通じないだって、何いってんですか、効率の良い勉強方法があれば、そっちが良いにきまってますよね)
 みんなが常識と考えていることに疑問をもつこと。それが創造への第一歩であり、新しいチャンスが見えてきます。菅原は「感動する講義」で、吸収率90%を目指しています。ティーチングのプロフェッショナルとして、「講義スタイルを変えた男」としてプロジェクトXに出してもらえるぐらいになろうと思っています。志は高く。