自分の才能を伸ばすことが出来る環境を自ら選ぼう

 トリノオリンピックが終わって、カナダのバンクーバーでは、4年後のオリンピックに向かって、はやカウントダウンが始まっています。日本は金メダルが一個だけ。いまいち盛り上がれない結果に終わってしまいましたが、唯一の金メダルについて、アメリカの全国紙USA Todayも、New York Timesも、主要紙はどこも一面トップで報じていましたので、価値の高い一個だったのでしょう。自分たちのことにしか関心のないアメリカ人が、日本人の金メダルを、表彰台の写真つきで報じていたのですから驚きです。
 スポーツに限らず、多くの分野で世界に通用するに日本人がもっともっと出てくるにはどうしたら良いのでしょうか。日本の環境は、一つのことに傑出した人間を輩出することに不向きなようです。平均的レベルは高いのですが、飛びぬけている人材が出にくいのです。
 企業が採用に当たって最も重視するのは、昔も今も変わりなく「協調性」であるという話を聞きました。確かに組織として、集団として成果を出していくには、周りの人たちとうまくやれることは不可欠です。そのために「協調性」が大切なのでしょう。しかし、この環境からは飛びぬけた人材は出ません。足を引っ張られてしまうからです。チームプレーに優れていても、優れた個人プレーヤーは育たないのです。
 しかし、変革や挑戦が求められている時には、協調性の集団では変化に対応できない恐竜の運命をたどります。傑出した異才が必要です。しかし、こういう人たちは日本の環境を嫌って、外国に出てしまうんですね。スポーツと学問の分野では特に顕著です。自分が個人プレーヤーなのか、チームプレーヤーなのかを見極めて、その資質を伸ばすことが出来る環境を選ぶことが大切です。自分に意思さえあれば、環境を選べるなんて素晴らしいことですよね。
 バンクーバーは移民の街で、すさまじく多様な人たちがいます。イランからの移民だという人と話しましたが、彼はさぞ苦労してバンクーバーに来たことでしょう。バンクーバーは最高だといっていました(菅原は好きじゃないですが)。環境を自分の意思で自由に選べる日本人に生まれたってことは、なんと幸運だったんでしょうね。