「知力」と「行動力」をみがいて賢い平民になろう

 『草の乱』という映画を観て来ました。帰りは、とっても暗い気持ちになりました。それは、この映画がフィクションではなく、実際にあった話だからです(フィクションならどんなに沢山の人が死んでも構わないけどね)。
 今から120年前に、秩父で悪徳高利貸しと政府の悪政に対して、貧しい農民が蜂起しました。それが「秩父事件」と呼ばれるもので、この映画の題材です。農民の蜂起参加者は、8千人とも1万人ともいわれたそうですが、蜂起から9日後には鎮圧され、死者39人、死刑12人を出して終わりました。
 いつの時代も泣くのは、貧しい平民です。それは、今も変わらないでしょう。最近では、アスベストの問題が騒がれていますが、すでに500人ほどの死者が出ています。政府は危険を知っていたにもかかわらず、禁止せずに放置していた期間がかなりあります。犠牲になったのは何も知らない善良な一般の人々です。
 少し前では、非加熱製剤によるHIV感染が問題になりました。これも、政府は危険性を察知していたにもかかわらず即座に禁止しなかったために、感染が拡がりました。こうやって、たった一度しかない人生を狂わされた人たちの無念な思いを考える時、さぞ辛く悔しかったことだろうと胸が痛みます。
 政府は、意図してか、意図せずかは分かりませんが、間違うことが多々あります。その結果、泣くのは政治家や役人ではなく、一般のわれわれ平民です。ですから、政府に泣かされることのないように、われわれ平民は、賢い平民にならなければならないでしょう。賢い平民の必要十分条件は、「知力」と「行動力」です。「知識は行動に活かされて初めて力となる」です。「知は力なり」ってのはウソっぱちで、しっているだけでは、何にもなりません。(⇒http://d.hatena.ne.jp/Seattle/20050613/1118632344