階級社会へ向かう日本で、自分の将来をどう描くか

 日本はかつて「一億総中流」といわれ、格差の少ない平等な社会と考えられてきました。しかし現在では、はっきりと二極化が進んでいます。つまり、金持ちは金持ち、貧乏人は貧乏人で固定されていくということです。結果として、社会が不安定化したり、機会の均等が失われて社会全体の活力がなくなっていくことにつながります。
 政治家をはじめとして社会的エリートと称される職業で、世襲化がどんどん進んでいます。すべての人に平等にチャンスが与えられない社会に向かっています。
 未曾有の繁栄をほこったローマ帝国には、その礎となった法律があるそうです。「リキニウス法」とよばれるもので、これによって、それまで貴族が独占していた国家の要職が、平民にも解放されたのです。その結果、全市民の中から優秀な人が要職につくようになり、ローマ帝国に繁栄をもたらすことになったそうです。
 ローマ帝国は階級社会とは逆の道を歩んで繁栄を誇り、日本は逆に階級社会への道を歩んでいます。その結果はどうなるのでしょう?その結果が出るのは、そう遠くはない将来です。階級社会化を進めた年寄たちはいなくなっていますから、その影響を最も受けるのは私たちです。 
 現在はっきりしている対策には2つあります。一つは階級社会の日本を脱出する。二番目は、自分が金持ち階級に入る。アメリカに住んでいたときに痛感したことは、アメリカ社会は金持ちにはなんて住みやすい社会なんだろうということです(そして金持ちになったらアメリカで暮らそうと思いました)。逆に、弱者にはとっても厳しい社会です。また、かつてイギリスにいたとき、イギリスは今も4つの階級から成り立っていると、あるプロフェッサーがはっきりといっていました。大学教授は2番目の階級に属しているそうです。上の階級にいる人間にとっては快適でしょうね。
 三番目の対策を考えていかないと、われわれ普通に暮らす日本人には厳しい時代になりそうです。そのためには、やっぱり若い時に脳みそに汗をかいて、頭を鍛えておくことが必須なんだと思います。みんなで知恵を出し合って、第三の対策を考え出しましょう。(874字)