人生はトレードオフ(trade-offs)

 経済学の基本的な用語の一つにトレードオフがあります(別に経済学をもち出さなくてもいいんだけどね。ただかっこつけてるだけ)。意味は、簡単に言うと、どちらか一方を取ると、もう一方は取ることが出来ない、っていう当たり前のことです。
 道が分かれる地点に来たら、右の道を行くか、左の道を行くかを選択しなければならず、両方の道を行くことは出来ません。ある一人の女性を選んだら、他の女性はあきらめなければなりません(一夫多妻制のケニアでは違うけどね)。二社から内定をもらったら、どちらかをあきらめなければなりません。まあ、どれも当たり前のことです。
 しかし日常生活の中で、トレードオフをはっきりと意識しているのと、いないのでは、かなりの違いが出てくると思います。そして、意識していない人が大多数です(少なくとも学生の皆さんに聞く限りでは、なーんにも考えてないようです)。
 これは選択に当たって、優先順位をどうつけるかってことで、つまりは意思決定の際に、何を判断基準とするかという問題です。私たちは希少性の世界(=すべてのものが有限)に生きていますから、自分のもっている有限のお金、時間、エネルギーを、どう使うかをいつも考えねばなりません。それらを無限にもっているならば使い方を考える必要はなく、どんどん使えばよいのですが、現実には不可能なことです。
 これまでの菅原の試行錯誤(ずいぶんとお金も、時間も、エネルギーも浪費しました)の結果、選択に当たっての判断基準は、二つあるという結論にたどり着きました。いまでは、この基準を実践に活かして意思決定しているので迷うことはありません。
 まず第一は、今しか出来ないこと。そして第二は、自分(達)にしか出来ないこと。この二つの基準で選択すると間違いがないように思います。
 この基準でいくと、バイトは外れます。どうせ、一生働かなくてはいけないのですから、何も今からあせって働く必要はないのです。つまり、今しか出来ないことではない。バイトでしか得られないものがあるって?そんなもんないよ。働かなくていいときに、自分から進んで働くなんて、なんてもったいないんだろうね(菅原のバイト論については後日、詳しく説明します)。
 次に恋愛。これにも疑問符がつきます。動物なら発情期が決まっているからね、その時期を逃すわけにはいかないよね。ところが、人間は動物とは違って、特に発情期が決まってないから、いつでも発情OKなんだよね。だから、恋愛もあわててしなくてもいいんだな(もちろん良い人がいれば我慢することもないけどね)。ただ何が何でも大学時代に彼氏・彼女を、なんて、そんなことにエネルギー使わなくてもいいのだ(菅原の恋愛論についても後日、詳しく説明します)。
 じゃあ、何だろうね?「今しか出来ないこと、自分にしかできないこと」って。答えは与えてもらうものではなくて、自分で見つけ出すものだから、こっから先は自分で考えてね。人生は短いんだ。今しなくてもいいこと、他の人でも出来ることは、みんな後回しさ。結論をはっきり言うよ。バイトも恋愛も、学生時代にしなくてもいいってことさ。周りがみんなしているからといって、まあそんな周りの風潮に流される必要はまったくなし。それより大切なことはたくさんあるのだ(ただ気づいていないだけ)。(総文字数:1362字)