ホームシックと英語は成長の糧

 今春、大学を卒業してフロリダに渡ったE君からemailが届きました。NASAスペースシャトルの打ち上げを見たり、カジノに行ったり、バンジージャンプに挑戦したりと、他ではできない経験をしている一方で、最近はホームシックにかかっているとのこと。また、毎日アメリカ人と話し、遊びに行き、ニュースを見たり、ラジオを聴いたりして、英語に慣れてはきたものの、何を言っているのかわからないことも多くて不安でならず、英語の難しさと、コミュニケーションの重要性を痛感する毎日を送っていると書かれていました。
そんな彼におくる言葉は、「君は素晴らしい。もう少しで、それらの霧はすべて晴れ、新しい世界に入れるよ」。日本を飛び出して新しい挑戦をしている彼に、心からの声援を送りたいと思います。
 まず、ホームシックへの対処法。特にアメリカにいると、まずい食事に耐えられなくなります(本当に、どうしてアメリカ人の味覚はこうも乏しいのだろうと思わずにはいられないほど、彼らは食べ物に対する感覚が鈍いのです)。そこで、少し高くても日本料理店に行って、おいしい日本食を腹いっぱい食べる。多少出費しても、それで、精神的に落ち着けるのであれば、元はとります。何日間か食べ続けると落ち着いてきます。
 次善の策としては、中華料理店に行く。中国人パワーはすごく、世界中のどこに行っても中国人がいて、必ず中華料理店があります。チャーハンや麺類は、わりと日本食にも近く、その上、何故か中華はどこでも一般的に量が多い上に値段が安いのです。自分も世界の各地で、中華を食べて一息ついてきました。
 次に、最近はインターネットという強力なツールもあるので、これでがんがん調べて、近くの日本人コミュニティを探し当てて、仲間に入れてもらいましょう。ネット上でもいいし、リアル・ワールドでもいいよ。いずれにしても、急場しのぎの方法として、日本人を頼りましょう。ずーっとは駄目だけどね。それに変に外国にかぶれているいやな日本人も結構いますが、そんな時は、「80対20の法則」(→http://d.hatena.ne.jp/Seattle/20050214)を思い出して、10人会って2人の良い人に出会えればいいと思っていれば、気落ちしたり、いやな気分にもなりません。
 彼・彼女をつくると、ホームシックなんか一発で吹き飛びますが、これはお勧めできません。学業に身が入らずに、身を崩していくというのが、十中八九です。こういう例をたくさん見てきましたし、現地に住んでいる日本人はこの状況をよく知っていますので、嘆いています。
 次に英語ですが、アメリカに行けば英語が話せるようになると錯覚している日本人はたくさんいます。これは、大間違いです。アメリカに長く暮らしている日本人でも、英語がほとんど出来ないという人(たいていは女性)は結構います。外国に住めば現地の言葉が出来るようになるというのは、子供には当てはまっても、大人にはまったく当てはまりません。
 しかし、毎日英語に触れて努力していれば、1年たつと必ず自分でも少し上達したことがわかります。ですから、数ヶ月単位で考えるのではなく(実は数ヶ月単位で上達しているのですが、本人には感じられない)、まず1年をひとつの区切りにして、「あせらない」、「あきらめない」(→http://d.hatena.ne.jp/Seattle/20050222)ということが、大切です。すぐに成果が実感できなくても、とにかくこつこつと積み重ねていく。そうすると、必ず、必ず結果はついてきます。そして、そこで培った「あせらず、あきらめない」という姿勢は、他のどんな場面でも大いに役立ちます。(総文字数:1447字)