柳の強さと、鋼鉄の強さ、どっちが強い?

 柳(やなぎ)はいつも風に揺られて、ふらふらしていて弱そうに見えますが、決して風に逆らうことなく身を任せていますから、枝はなかなか折れません。一方、鋼鉄は硬くて形を変えることがありませんので、一見とても強そうに見えますが、ある強度を超えた力がかかると折れてしまいます。「柔よく剛を制す」という諺もあるように、柔らかい柳のほうが、硬い鋼鉄よりも折れにくいのです。

たまに自分の考えを頑として曲げず、他の人の意見に耳を傾けない人がいます。そんな時、「ああ、この人は、自分で自分の可能性やチャンスを狭めているな」と思います。自分のちっぽけな物差しだけを基準にして他を測ろうとするので、そのちっぽけな物差しを超えるものは測ることも出来なければ、もちろん受け入れることも出来ません。

 他を受けいれていく度量の大きさや、臨機応変に対処していく柔軟性を身につけたいと思います(ただし、柔軟性は優柔不断と紙一重で、その差は、自分の信念や使命をもっているかどうかです)。特にこれからの「多様性の時代」には、「柳の強さ」こそが不可欠だと思います。 は柔らかいほうが良いに決っています。同じように、柔らかい頭が、固い頭を制すのです。頑固親父は、みんなにうとまれます。頑固な若者は手に負えません。(総文字数:574字)