さあ挑戦だ。ワクワク。

 1990年に、調査やコンサルティングを行う有限会社を、自分の指導教授と一緒にお金を出して設立しました。専務取締役という肩書きで、設立から軌道に乗せるまで、経営の全般に責任をもって一生懸命やり、とても面白く、多くのことを学びました。資金繰りが苦しくなって、消費者金融から菅原の個人名義でお金を借りて運転資金にあてたり、取引先が夜逃げして(オフイスを訪ねたら誰もいない)、手形が不渡りになったり、なかなか出来ない経験もさせてもらいました。

 「理論と実践は密接不可分」(→http://d.hatena.ne.jp/Seattle/20050131/1107134812)座右の銘としていますので、口先だけってのが大嫌いです。「口先三寸業界」である学者の世界は、居心地がいいのですが、まったく実践がありません。高邁な経営学を論じる大教授でも、会社の経営は出来ない。経済学者でも、経済運営はできない。政治学者でも、政治は出来ない。もちろん大学の先生にも存在価値はあります。ただ菅原の価値観では、実践が伴わない生き方はいやなのです。

 設立から7年間、大学での仕事の傍ら、会社の経営に携わりましたが、いかに自分の能力がないかを痛感し、自分を磨くために時間とお金とエネルギーを使おうと思いました。会社の経営はいつでも出来るけど、自分を磨くには時があると思ったのです(すべてのものには時がある。時期はずれに野菜の苗を植えても実らないように)。そこで、経営からは身を引いて、大学も休職して(つまり給料をもらわずに)アメリカに研究に行きました(身銭切っているから真剣さ)。それから、ひたすら自分を磨くことに専念して7年弱が過ぎました。

 いまだ十分に自分を磨いたとは言えませんが、次の新しい一歩を踏み出そうと思っています。今年6月のアメリカでの調査時に、社会的企業(Social Enterprise)が関心を集めつつあることを知りました。アメリカでは企業の存在価値は明確で、企業は株主のためにあるというものです。これに対して、社会的企業は利益を社会的目的の実現の為に使うというものです。これだ、っと思いました。来年4月から、新会社法の施行。菅原も、「未来を創る」という社会的事業にむかって、新しいチャレンジをします。(総文字数:857字)