タッチの差が、永遠の差


 都心に行くことはあまり好きではないので、極力避けるようにしていますが、それでも行くことはあります。地下鉄のホームで電車を待っている時、いま直下型の大地震が来たら天井が落ちてきて、つぶされておしまいだろうなと、ふと考えます。また車で首都高を走っていたら、崩れ落ちておしまいだろうなとも思います。
 東京にでかい地震が来るとは、もう随分と前から言われてきたことですが(25年前に自分が初めて東京に出てきた頃にも言われていましたからね)、最近は本当にそれが近くなってきているのではないだろうかと思います。政府も、この程度の地震が来たらこのぐらいの犠牲者が出て、このぐらいの被害が広がるという予測を、数字で公表するようになっています。ここには活断層が走っていて非常にあぶない、この地域には津波が押し寄せる、といったようにかなり詳しく予想できているはずですが、それをそのまま公表すると影響が大きくなって大変なことになるので控えているのだと思います。
 地下鉄の駅では、地震が来たときに天井が崩れても、なるべく隙間が出来て、そこでつぶされなくても大丈夫そうな位置で電車を待つようにしています。階段出口のすぐ近くで、柱の根元が比較的安全ではないかと思っているのですが、どうでしょう。本当のところは分かりません。
 電車は、脱線して突っ込んでも大丈夫なように、後ろの車両(5両目以降)に乗るようにしています。ホテルでは、なるべく低い階の部屋をお願いします。飛行機の予約の時には座席の事前指定をして、羽の上の座席にします。ここの席が、頭から突っ込んでも、お尻から落っこちても、比較的安全かなって思っています。
こんなことをいちいち考えていたら生活できないって声もあるでしょう。しかし、生と死は 紙一重なんだなって思います。何かあったとき、ほんのちょっとずれているだけで、生と死の明暗が分かれます。後悔する人生、他を悲しませる人生はいやですから、いつも色々な事を考えて頭を動かして生きるってことが大切だと思います。
 「タッチの差が、永遠の差」って、よく指導教授の江夏健一先生に言われてました。(文字数:889語)