見えない大地にしっかりとした根を張ってこそ、綺麗な花が咲く

 秩父では、桜が散ると、その後に、芝桜がとても綺麗に咲きます。広大な丘に、ピンクと白の芝桜が美しい模様を描き出します。その芝桜も、先週末でほぼ終わりをむかえたようです。桜は咲いてせいぜい10日間、芝桜はもう少し長くて3週間。一年のそれ以外の日々は、根を力強く張って、じーっと力を蓄えています。桜なら355日、芝桜なら345日くらいの準備期間があって、見事な花を咲かせます。
 美しい花を見たとき、だれもが綺麗な花だと感動しても、じーっと力を蓄えてきた長い期間や、その花を支えている根のことを思う人はほとんどいないでしょう。しかし実際には、この長い期間と力強く大地に張った根がなければ、綺麗な花はありません。花ばかりに目を奪われるのではく、準備の期間と、見えない土の中にしっかりと張った根の大切さを知ることが大切だと思います。
 私たち人間も同じです。準備の期間にしっかりとした根を張っておけば、おのずと綺麗な花が咲いてくれるでしょう。この根の大切さを忘れて、花を咲かすことばかりに気を奪われていると、結局たいした花は咲かないのです。特に学生時代は、土の中にしっかりとした根を張ることに専念すべきだと思います。学生時代を、桜の一年に例えるならば、花を咲かせる10日間ではなく、力を蓄える355日であることをよく認識し、自らを研鑽してほしいと思います。必ず素晴らしい花が咲きます。(字数:598語)