菅原流インターネットの鉄則−その1−

 「正直じゃなくて良いのだ」

 インターネットによって出現してきたサイバーワールドは、まだほんの10年ほどの歴史しかもっていません。人類の長い歴史から見ると、ほんの一瞬にもいたらないでしょう。こんな歴史の浅い世界ですから、そこでのルールやマナーも確立していなくて当然でしょう。現在は、試行錯誤を繰り返しながら、サイバーワールドの新しいルールやマナーが作られていく時にあたっています。以下では、菅原が自分で試行錯誤しながら痛い目にあって会得した、インターネットを利用する際の鉄則をご紹介していきます。菅原が犯した失敗を、同じように繰り返してほしくないと思います。
 インターネット上でサービスを利用する場合に、まずメンバー登録が求められることが多くあります。これに、バカ正直に答える必要はありません。たいてい必須項目の印がついていますので、これだけを埋めて他は空欄で大丈夫です。いまはITのお陰で、データの解析が容易になっているので、アンケートが大流行していて、どこでもいろいろと聞いてきますよね。こんなのにいちいち正直に答えていては手間がかかるばかりです。既婚か未婚か、子どもは何人か、年収は、なんて質問には、未婚、子どもは10人、年収は5000万円以上って答えています。
 emailのアドレスは絶対にバカ正直に登録してはいけません。以前アメリカに住んでいたときに、どこかに登録したアドレスがもれて、いまも、英語のわけのわからないメールが毎日大量に届きます(バイアグラが安く買えるとか、素敵な女性が待っているとか、まったく不快なメール達です)。これは、大失敗でした。登録するeメールアドレスには、使い捨てできるようにウェブ上で取得できる無料のアドレスを使いましょう。これなら洩れても、そのまま使わなければいいのです。忘れてはならないことは、「デジタル化された個人情報は洩れる」ということです。収集した側が意図する、意図しないにかかわらず、漏れたらその被害を被るのは私たちです。どの企業もサイト上にプライバシー・ポリシーなんてページを設けて、個人情報を厳格に扱うと宣言していますが、「ミスは必ず起こる」、「基本的には企業を信じない」というのが原則です。かつて有名なIT企業から何万人分もの個人情報が洩れたってことがありましたよね。洩れた後で文句を言っても始まりません。そういうミスも起こりうるということを始めから想定して、前もってこちらが対応できるような行動をとっておくことが大切です。
 インターネットの最大の特徴の一つは、匿名性です。知らない相手には、すべて「てきとうな情報」を提供するということは鉄則です。それで良心を痛める必要はまったくないのです。インターネットの世界は、はじめから匿名性の上に構築されているのですから、「てきとう」を前提としているのです。サイバーワールドとリアルワールドのルールは、同じ場合もありますが、異なる場合もあります。特に両方の世界でルールが異なっている場合を理解しておくことは、インターネット社会に生きる我々には必須のことです。