中国の反日デモから何を学ぶか?

 4月にはいって、またたく間に中国全土に広がった反日デモ運動から、どのようなことが今後の教訓として得られるのでしょうか?それは視点の違いによって様々であり、マスコミでも色々と解説・解釈されています。
 ITという観点からすると、次の3点が重要と言えるでしょう。①インターネットが不可欠の手段となっており、若者がインターネット上の呼びかけに応じて集まり、予想以上の規模に拡大した。②インターネットを介して結びついた中国各地の大学生が中心となって、巨大な動きを創り出した。③中央で指示を出し統制するリーダーはいなく、自律分散型ネットワークによって運動が展開されている。
 この新しいタイプの運動によって、これまで情報統制によって国民を支配してきた中国共産党のやり方がもはや有効性を失っていることが明らかです。インターネットのもつ力を、まざまざと見せつけていると思います。
 ここでの結論はシンプルです。新しい時代を創る中心にいるのは、「ITを駆使する自律した大学生」ということです。ますます日本の大学生の活躍のフィールドは広がっています(但し、自分の頭で考えて行動できる自律した大学生という条件付ですが)。ITというと、これまでは若者がビジネス・イノベーションによって金儲けをすることに注目が集まっていました。しかし、ITの真価は、ソーシャル・イノベーションによって、社会を変えていく、新しい社会を創り出していく、ということにあると思います。