企業のカモにされる日本人をそろそろやめよう

 自分は典型的な日本人で、あたらし物好きです(やめようと思っていますが)。先日、そろそろノートブック・パソコンを新しいものに買い換えようと思って(いまので不自由していないにもかかわらず)、下見に行きました。店員さんにあれこれ聞いていると、SONYのVAIOは、3月に春モデルが出て、まだ2ヶ月しかたっていないにもかかわらず、もうゴールデンウィークごろには、夏モデルが出るとのこと。だからもう少し待ったほうが良いそうなのです。なんと短いライフサイクルでしょうか。
 こうして企業は次から次へと新しいものを出して、あたらし物好きの日本人をカモにして成長してきました。性能はそれほどかわらないのに、過剰なモデルチェンジ。「自転車の論理」(自転車はこぎ続けなければ倒れる)が、企業にもそっくりあてはまります。売って売って売り続けなければ、企業は倒れるのです。
 携帯電話も、過剰なモデルチェンジの典型ですね。これに若者が乗せられて、買い換えるわけです。その影で、一日約7万台が使われなくなって廃棄されるそうです。そして、その3割くらいしかリサイクルされず、残りは、家のどこかに転がっているか(我が家にも確かに2台転がってたけど、最近は見なくなってしまったな)、燃えないごみとして出されてしまい、結局は土の中に埋められるのです。これが大変な災いをもたらす可能性を秘めています。携帯電話の部品には有害物質が含まれていて、これが土壌にもれて、近い将来、深刻な土壌汚染を、日本中で引き起こすことが予想されています。私たちは、間接的ではあっても、大切な地球の汚染に加担しているのです。
 100円ショップもそうです。目当てのもの以外にも、つい安いからと買ってしまうことは、誰でも経験があるのではないでしょうか。そして大して必要なものではないので、すぐにゴミとなってしまい、結局多くのプラスティック製品は土に埋められるのです。余計なものも買わせてしまうという100円ショップの戦略にまんまと乗せられて、使う必要のないお金を浪費し、その上にゴミを増やしているのです。
 このように、私たちは、毎日の暮らしで意識はしていなくても、企業の手のひらに乗せられて踊らされているのです。企業の「自転車の論理」のカモからそろそろ抜け出ましょう。大量生産、大量消費、大量廃棄という今の社会を変えられるのは、賢い消費者しかいません。企業に乗せられて買わされて、モノにあふれている生活から脱出して、少ない物で精神的な豊かさが得られる生活こそが、21世紀の新しいライフスタイルに違いありません。その為の試行錯誤をみんなで繰り返して、そこから得られた具体的な知恵を共有しましょう。そして、社会を変えていきましょう。今日までの常識を、明日の非常識としていきましょう。