正しい言葉遣いが、思考力をつける第一歩

 人は言葉で物事を考えるので、言葉の使い方には細心でなければなりません。誤った言葉の使い方は、思考力の妨げとなります。ここでは、特に気になる言葉3つ(洋風、欧米、外人)を取り上げましょう。

 洋風という言葉を聞くと、とてもうさん臭い感じがします。「洋」といっても、何をさしているのか分かりません。「洋」がおそらく意味する国は、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、アメリカなどでしょうが、これらの国は、人々の考え方、食べ物、生活スタイルなどすべてにおいて、まったく異なっています。それらを一括りにしてしまうのは、とても無理があるのです。洋風××とか、洋食などといった表現を使うのはやめましょう。また、そんな表現を使っている人の話には注意が必要です(たいていおかしな話をしています)。

 同じく欧米という表現にもたまに出会いますが、これもまったくまやかしものです。アメリカとカナダですら、まったく違います。例えば、シアトルからカナダのバンクーバーに向かってフリーウェイを走ると、陸続きにもかかわらず国境を越えただけで、はっきりと世界が変わったことが分かります。人々もまったく違います。やたらに明るいアメリカ人と、どこか暗いカナダ人って感じです。さらにこれらの国と、イギリスもまったく違います。意味が曖昧な言葉を使っていると、不正確な思考しかできません。

 外人、これもいやな表現ですね。つまり「外の人」ってことで、差別用語です。せめて、外国人といいましょう。さらに外国人といっても、日本以外の国の人は、全員外国人です。いったいどこの国の人をさしているのかまったく分かりません。同じく外車ってのもやめましょうね。

 まだまだたくさんありますが、広く世界に目を向けて地球人として生きようとする人にとって、最低限必要な認識として、3つの言葉を取り上げました。