すべてのものにはライフサイクルがある

 今日は卒業式。つい先日1年生として入学してきたかと思っていたら、もう卒業という感じ。学生たち本人も、あっという間で速かったと言っています。こうして人は、あっという間に成長して、あっという間に年老いていきます。

 人に限らず、すべてのものにはライフサイクルがあって、誕生、成長、成熟、衰退、消滅というステージを経ていきます。永遠に栄え続けるものは、何一つありません。ローマ帝国がとっくに滅びたように、たくさんの国が姿を消しました。かつての学生の就職先として憧れの的であった大企業も、いまや姿を消しています。世の中に出回っている人気商品も、やがて廃れて姿を消します。どんなに人気のあるタレントも、やがて忘れ去られます。偉そうにしている人たちも、すぐにこの世から消え去ります。

 大切なことは、ある期間だけの栄えている姿や、落ちぶれている姿をみて判断してはいけないということです。栄えたら必ず衰退するのです。就職を考える際にも、希望する企業が、ライフサイクルのどこにあるのかを見極めることが大切です。大企業に入社できた、よかった、だけどすぐにつぶれた、ならまだ良いのです。20代ならやり直しがききますから。企業の衰退、消滅期が自分の40代以降とぶつかると悲惨です。もう他には移れませんから。

 栄えている人にこびへつらって近づき、落ちぶれている人を遠ざけるというありかたは、間違いです。ドラエモンと似たような呼び名で、なんとかエモンと呼ばれて、いまちょっと世の中を騒がせて注目を浴びている人がいます。それも一時の姿です。

 平家物語の有名な一説。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
 驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。
 猛き人もついに滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ」

 あすから、26日まで、アメリカに調査で行きますので、このブログは更新されません。アメリカに行くといっても、何のとめきもなく、ああ、またアメリカのまずい食事に付き合わなければという思いがよみがえってきます。アメリカ人の味覚は本当に可愛そうです。どうしてあんなにまずいものを平気で食べられるのでしょうか?かつてアメリカで、乗馬を習いに行ったとき、そこのコーチの女性が、馬にあげる生の人参を土をささとはらって食べている姿をみて、この人は馬と同じだと感動したことがあります。生活のあらゆる面で大量消費を続けるアメリカ人の暮らしは、地球にも人にも優しくありません。いま栄えているアメリカも、残されているのは衰退のステージです。