心を広く、豊かに


 「忍」から「心」がとれると「刃」だけが残り、恐ろしいことになります。心を失った人たちが増えて、次から次へと残忍な事件が起きています。先週も関西の小学校で死傷事件が起きました(なぜ関西が関東よりも多いのかは不思議です)。犠牲となられた方の無念さを思うとき、言葉がありません。モノが身の回りにあふれて、「心の時代」といわれて久しいですが、心がますます失われていく方向へと社会が向かっているように、誰もが感じているでしょう。「心の時代」の鍵の一つは、耐えることの大切さを知ることではないでしょうか。耐えることの大切さは、時代を越えて説かれてきました。徳川家康の有名な遺訓があります。


「人の一生は重荷を負ひて遠き道をゆくが如し 
いそぐべからず 不自由を常とおもへば不足なし 
心に望みおこらば 困窮したる時を思ひ出すべし
堪忍は無事長久の基 いかりは敵とおもへ 
勝事ばかり知りて まくる事をしらざれば 害其身にいたる 
おのれを責めて人をせむるな 及ばざるは過たるよりまされり」


 地球上に暮らす全ての人たちに目を向けると、いまだに約2人に1人は、飢えに苦しんでいる状態です。(→http://www.SugawaraOnline.com/reference/WorldVillage.htm)日本の中だけにいては、世界のこういった実情は分かりません。世界へ目を向けると、いかに自分たちが恵まれているかを知ります。日本の中で、日々のちっぽけなことに一喜一憂するのではなく、世界に目を向けて生きると、人生が大きく開けてくると思います。くだらないことでキレていては、自分の限りある人生がもったいないです。
 生き詰まったら、外国特に発展途上国を一人旅して、世界に目を向けましょう。「かわいい子には旅させろ」とは昔から言われていることです。私に勧められて、それほど乗り気ではなく旅に出た一人の若者が、飛行機の中で偶然隣り合わせた人と運命の出会いをして、まもなく結婚します。不思議な縁ですね。こんな不思議な瞬間が、あなたにも明日やってくるかもしれません。まず一歩を踏み出しましょう。心を広く、豊かに。