旅は面白い−日本の常識は世界の非常識

(1)お金の払い方
 支払いのときに、すべての日本人はまず先にお金を出して、それから品物を受け取ります。これは、お人よし日本人の典型的な行動パターンです。外国では逆です。まず品物を受け取ってよく吟味して納得してからお金を渡します。
これは私の後輩が、バンコクでコーラを買おうとしたときのことです。やはり意識せずに日本国内と同じ行動パターンで、お金を先に出しました。コーラは受け取りましたが、そのまま走って逃げられてしまい、お釣りをもらうことが出来ずに、一本千円くらいのコーラになりました。お釣りを多くもらわなければならないような買い方は避けるべきですが、やむをえない場合には、まず品物とおつりを先にもらってから、お金を渡さなければいけません。


(2)トイレットペーパーは必携
 アジアでは、慣れないうちは必ずお腹をこわします。そこでトイレに飛び込んだ学生が、血相を変えて再び出てきて、叫びました。「紙がない」と。すかさず、私はそこでホテルから持ってきていたトイレットペパーを出して、彼に売りました。「あ、やられた」といいつつ、彼はトイレに戻りました。発展途上国の公共のトイレには、いつもトイレットペーパーがあるとは限りません。バケツがあって、そこに水がはってあるようなことが結構あります。ホテルを出る時に、部屋に備えられているトイレットペーパーを持って出るのは鉄則です。


(3)返品は当たり前
 アメリカの小売店では、返品受付専用のカウンターがあり、店によっては客が列を作っています。ここにレシートと現物を持っていけば、何も聞かれずに、その場でお金を返してくれます。初めてアメリカ暮らしを始めたときのことです。アメリカの友人が、生活に必要なものを揃えるのに付き合ってくれて、車であちこちへと連れて行ってくれました。その時、クイーンサイズとキングサイズの違いが分からず、間違ったサイズのベッド・シーツを買ってきました。家に帰ってマットレスにかぶせようとしましたが、どうも小さいのです。しかたなく無理に一晩使って、翌日、そのことを彼に言うと、「じゃあ返品しに行こう」と言うのです。一度使ったものを返品するなんて日本では考えられないことです。アメリカでは当たり前でした。返されるほうも、なんとも思っていないのでしょう。
 日本で返品というと、なんとなくこちらが引け目を感じます。お客様は神様です。気に入らなかったら、遠慮なくどんどん返しましょう。


西アフリカ・マリ共和国訪問記→http://www.sugawaraonline.com/reference/VisitMali.htm