ギリギリ・オッケー・パラダイム

 いま例によって、あせって年賀状の準備を進めています。あすには出さないと。リミットだよね。ギリギリに追いこまれると、頭が高速回転を始めて密度の濃い時間を送れます。かつて懸賞論文に応募する時、締切日当日の締切時間ギリギリまで書いていて、外にはもう、バイク便が到着してスタンバッているという状況をなんどか経験しました(それで賞金ゲットしました)。
 なんでも余裕をもってするようにと教えられてきましたが、そういう説教じみたことを言っている大人たちも、けっこうギリギリです。世の中、ギリギリのことは多いのです。クローズアップ現代の生放送の時、スタジオに移動してリハーサルを始めたのが、開始時間の10分前。えーっ、こんな直前で大丈夫なのって感じです。冒頭部分は録画していて、それを流しているので、裏であれこれやっていても視聴者のみなさまには分かりません。7時半から本番が始まっても、裏では顔に化粧をしたり髪を整えてもらったりして準備しているのです。
 何でも締切ぎりぎりになってくると、毎回、毎回、次からは余裕をもってやろうと心を新たにします。しかし、そこを超越すると、この仕事ならギリギリ間に合うのは何時間前(あるいは何日前)から始めればいいかなということが予測できるようになってきます。
 いま日本中で、多くの学生の方々が、卒業論文修士論文を焦って書いていると思います。おそらく、もっと早くから準備をしておけばよかったと後悔しながらでしょう。でも、そんな気持ちは捨てましょう。ギリギリのほうが力を発揮できるのです。私も修士論文を2晩徹夜で書き続け、締切日の締切時間ギリギリで提出しました。ギリギリはだめだっていう思い込みを捨てて、ギリギリ・オッケーに頭を切り替えて試練を突破しよう。