BOPビジネスの基本は、日本に古くから伝わる「自他共栄」

 最近良く使われるのが、「win-win」。相手もハッピー、自分もハッピーってことですね。このことは、表現は違っていても、長きにわたって繰り返し言われてきました。たとえば、日本の国技、柔道の基本理念に「自他共栄」があります。これは、相手を敬い、感謝し、信頼することで、自分も相手も共に栄える世界をつくろうってこと。
 これまで先進国企業が途上国へ進出すると、こちらがwinで、相手がlose、こちらがハッピーで、相手が搾取されてアンハッピーという構図になりがちでした。いまも、現実の多くはそうだと思います。先進国の人間は、途上国の人々を敬い、感謝し、信頼するとい自他共栄の理念の正反対で、相手を馬鹿にし、搾取し、侮辱するってことが横行しているでしょうね。
 しかし、このタイプのビジネスは、いつまでも続かないのです。Sustainabilityがキーワードのグローバル時代では、一方がハッピーで、他方がアンハッピーでは、やがて行き詰ります。ビジネスは、そんなに甘くはない、勝つか負けるかのどちらかだ、という声が聞こえてきそうです。しかし、それでも「win-win」を目指すのが、21世紀型ビジネスの方向性です。
 自分もハッピー、相手もハッピー。これにチャレンジするのが、BOPビジネス。固い頭、古い頭の方々には、受け入れられないでしょう。しかし、多くの若者が関心をもってくれています。9月16日のBOPビジネス・ワークショップにも、大学生や大学院生の方々からの参加申し込みを多くいただいています。グローバル時代に、日本の若者は大いに活躍すると予感します。
 この秋、大阪でも、札幌でも(もちろん東京でも)、若者をターゲットにしてBOPビジネス・ワークショップを開催していきます。世界をハッピーにする日本の若者、担っている使命は大きいし、やる価値がありますよね。