BOPへの関心だけじゃなくて結果を出すとき

 BOPビジネス・ブームは、とっても不思議な現象だなあと感じます。なぜなら、かなり多くの人が関心を寄せてはいるものの、現実の成功例がほとんどないからです。普通は現実が先にあって、関心がそれに続くはずです。しかし、今回は関心が先にどんどん高まって、現実がないなんて、なんでこんなことが起きているんだろうって不思議です。この2年間で急速に生じた現象です。
 「企業の利益と社会的課題の解決を同時に実現する」というコンセプトが魅力的で、多くの人を引き付けているんだと思います。昨日、名刺の交換をさせていただいた際に、ほとんど関係ないだろうと思われる広告代理店の方から、社内でBOPビジネス研究チームが立ち上がったとのお話をうかがいびっくり。テレビ局の方々も関心をもって、新しい種を探しています。これまでほとんど関心を示すことのなかった日本の学界でも意義が認められてきました。多くの学生の皆様からは、論文を読んだと挨拶していただきます。
 こんなに盛り上がって、どうするんだろう。ハングリー精神ゼロ、だけど、誰かの役に立ちたいという人が増えて、世界から貧困を少しでもなくすことに日本人が貢献できたら素晴らしいですね。
 いまも横行する人身売買。極貧のために娘を売り、売られた娘は売春宿で働かされ、エイズに感染。再び親の元へ送り返され、親がその娘の死を見取る。貧困の悲劇。これをビジネス・アプローチでなくす。やる価値はあるね。