プロフェッショナルってのは、どこまでも相手の立場に立てるかどうか

 先週末、ある学会に出席し、国際セッションでロシア人と韓国人のプレゼンを聞きました。どちらも教授様でいらっしゃいましたが、プロフェッショナルとは言えない下手なプレゼンにがっかりです。自己満足のプレゼンって、こちらの貴重な時間を奪うので、やめてほしいですね(こういうことは結構多いので、もちろん時間を無駄にしないように常に内職を持ち込んでいます)。下手な理由は、大きくは以下の3点です(ポイントは3つにまとめる)。プレゼンのイロハを知らない教授って、世界中かなり多いと思います。
 まず第一に、いったい何を伝えたいのかが分からない。キーワード、キーコンセプト、キーフレーズが不明。次に、適切な時間配分がなされていない。初めから与えられている時間が決まっていて、分かっているにもかかわらず、尻切れトンボになり、最後のほうをはしょるので、肝心の部分への言及が不十分になってしまうのです。第三に、プレゼン・シートのつくりが下手。一枚のシートに小さな文字で、ごちゃごちゃと書いているので、まったく見る気になりません。
 優良企業は「顧客第一主義(Customer first)」です。優れた講義は「学生第一主義(Student first)」です。優れたプレゼンは「聴衆第一主義(Audience first)」です。なにごとも、相手の立場にたつ。これが、基本です。素人とプロフェッショナルの違いは、この点にあると思います。相手を感動させられる、満足させられる、これがプロフェッショナルなのだ。