大学での目的は良い成績をとることではない

 大学を卒業して約20年たって初めて成績証明書をとりました。一般教養科目と専門科目合計31科目(語学と体育を除く)中、優がたったの7個(23%)で、可が10個(32%)。人より一年多い5年をかけて、この成績ですから、われながらひどいもんだと思います。しかし、この悪い成績でも、卒業後一度も困ったことはなく今日まできました。
 大学で学ぶ目的は、良い成績をとるためではなく、卒業後に社会で活躍することができる能力を身につけることです。多くの大学では、この時期、定期試験が行われていると思います。自分の好きな科目、得意な科目、将来役に立つと思う科目は、一生懸命勉強して、あとは適当にやって、60点ぎりぎりで合格すればいいのです。すべての科目で良い成績をとろうなんて思わなくていいのです。どんな人間にも強みと弱みがあるのですから、強みを徹底的に伸ばすようにすることです。

 では、卒業後に社会で活躍するのは、何のためでしょう?その答えは明確です。何かの新しい価値を生み出し、その結果として誰かの役に立ち、社会に貢献することです。この目的を間違えると、人生を失敗します。
 絶対的なルールってものは、人間の世界にそう多くは存在しませんが、「自己中心的で、己の利益しか考えない人間は、どんなに優秀であっても必ず行き詰まる」という黄金律があります。自分の利益しか考えずに耐震構造の偽装をしたり、嘘の情報を流して株価のつり上げを狙っても、必ずしっぺ返しが来るのです。この黄金律だけには、どんな人も逆らうことはできません。すべての人に例外なくあてはまります。よくよく頭に叩き込んでおきましょう。正直、誠実に、誰かの役に立ち、社会に貢献しようとすれば、必ず可能性は拓かれていきます。