プライドが高いやつより、コンプレックスをもってる人の方がましさ

 先週、新たにゼミナールに入る学生を選考する機会がありました。5分間でプレゼンテーションをしてもらい、それをもとに14名(男性10名、女性4名)の皆さんを合格とさせていただきました。選考前は、合格者を10名に絞ろうと決めていましたが、みなさん素晴らしい青年たちで、甲乙つけがたく、どうしても落とせなかったので、予定より多い14名合格(マレーシア人1名、中国人1名、日本人12名)となりました。
 今回プレゼンを聞かせていただいて、どの学生も素晴らしい可能性に満ちていて感動しました。ただその中で、一つだけ気になることがありました。わが大学は、入学試験の偏差値が高くないので、世間で言ういわゆる一流大学ではありません。そのため、ほとんどの学生は、滑り止めで入ってきており、はじめはいやいやだったかもしれません(今もそうかもしれないけど)。そのことを負い目に思いに、とてもコンプレックスをもっているようです。結論から言うと、「そんなの関係ない」です。
 人生に失敗のない人はあまりいないと思います。失敗は素晴らしいのです。失敗したことのない人は、どうしても弱い人の心がわからないので傲慢になります。みんなただの人間、たったの80年くらい生きたら、この世からいなくなるのだ。それなのに、エリートぶってプライドが高く、鼻持ちならないやつがいますよね。こういう人たちって、何かを勘違いしているかわいそうな人たちです。失敗はたくさんしたほうがいいのです。大切なことは、それをどう次に役立てるかです。いやいや入ってきた大学でも、あなたしだいで将来は大きく拓けます。
 菅原も、これまでいろいろなコンプレックスをもってきました。まず大学入試で2年間の浪人。そして、1年の留年。その後、まぐれで合格して大学院に進んだのは良かったのですが、また博士課程の試験に落っこちて1年間のブランク。こうして学校をすべて終えて、わが大学に職を得たのが31歳です。11年間にわたって、大学、大学院に授業料を払い続け、2浪をプラスすると13年間におよぶ、すねかじり期間です。
 その時は、自分が情けなく、辛く思うことも幾度もありましたが、いまから思えば、そんなの自分で勝手に思っているだけ。それに人生は、その後が勝負。短距離競争と違って、いくらでも途中で逆転が出来るマラソン勝負だから、最後は「亀がうさぎに勝つ」ってのは真実だと思います。
 コンプレックスや挫折感をもっている若者の皆さん。あせらない、あせらない。そんなのあなた以外の人は、だれも何ともおもっちゃいないのです。大きくジャンプするためには、小さくかがまなければならないのだ。(総文字数1090字)