自分に投資しよう − 年金破綻に備える唯一の方法

 国民年金の加入率が低下の一途で、平均すると3人に1人が支払っていないそうです。これを20代に限ってみるならば、2人に1人が払っていないそうです。当然でしょうね。誰が考えても、やがて年金財政がパンクすると予想されるのですから。破綻するところにお金を預けるよりは、その分を自分への投資にまわして、自分を磨いて、将来年金をあてにしなくても生きていける能力を身につけておこうと、誰もが考えると思います。
 しかし、こう考える人が増えれば増えるほど、年金はますます破綻へと加速度的に向かうことになります。個人にとって最適と考えられる行動が、全体としてはマイナスの結果に結びつくことになります。これは、経済学では「合成の誤謬」と呼ばれている典型的な現象です(不景気の時に、将来不安から、皆が貯金に走れば走るほど、その結果として、経済はますます不景気になる、という例が最もよく知られています)。
この悪循環を断ち切るために、将来必ず年金がもらえるという明るい未来像が必要です。しかし、今の政治家たちは、あと10年ないし20年もするとたいていこの世からはいなくなっているので、その後に来る年金の破綻は、やっぱり他人事ではないでしょうか。自分達はしっかりもらえるのですから。
 将来の年金問題に対する明確な答えは分かりませんが、一つだけいえることは、国に頼らず、最後まで自分の力で生きていけるように、若いうちに自らを鍛えておくことです。国民年金の掛け金を支払わずに、その分を、ただなんとなく使ってしまっていたのでは、最悪の結果にいたります。支払わなかった分のお金は、必ず自分を磨くために自分に投資することです。(文字数:690字)