東京イコール日本と錯覚しない − 複眼思考の大切さ

 最近、イギリスの住宅を礼賛する本(筆者はイギリス礼賛本ではないと書いていますが)を読んで、いやな気持ちになりました。「日本人は、こうこうだ」「イギリス人は、こうこうだ」「だから、日本人はダメなんだ」といった感じで書かれていました。

 どうもこの人は、東京イコール日本と勘違いしているようです。確かに、日本人のところを東京人と言い換えたなら当てはまるように思います。しかし、東京は、日本の10分の1でしかありません(人口比でいうと)。ところが、情報はすべて東京から発せられているので、東京イコール日本と錯覚しがちです。これにはいつも注意しなければなりません。

 自分は北海道の小樽で生まれ育ちましたので、東京と北海道が、考え方、生き方などにおいて、かなり違っていることを知っています。また、現在は秩父に住んでいますので、ここも別の世界であることを知っています。日本では、これら3ヶ所にしか住んだことがありませんが、どこもまったく異なっています。それぞれに、長所と短所があります。

 日本人はこうこうだ、なになに人はこうこうだ、という類の主張を鵜呑みにしてはいけないとおもいます。世界は、多様。一つの視点からしか物事を考えられないというのでは、偏った考えに陥ります。複眼思考は不可欠です。(文字数:560字)