北大生からのコメントは宝の山(「BOPは宝の山」をもじっています)

 昨日、北大経済学部で、BOPビジネスについて講義をしました。ほとんどの皆さんがBOPって何?という状況での開始でしたが、終わりには多くの方々に関心を持ってもらうことができて、なんとかinspireに成功したかな。質問・コメントも、なかなかするどくて、こちらの勉強になりました。
 中でも、するどいコメントは、BOPビジネスの長所ばかり強調していて、短所への言及がないという指摘。その通りです。すべてのことには、プラスとマイナスがありますからね。マイナス面をも含めた全体的な考察が欠けていました。一コマという時間の制約から意図的に省略しましたが、そこに気づくとはさすがですね。
 BOPビジネスのインパクトで、もっとも研究されていない側面が、環境への影響です。トリプル・ボトムラインの中でも、経済と社会の次元では議論されていますが、環境についての議論や研究はほとんどありません。市場を開拓し所得をもたらしても、環境に対するマイナスのインパクトを無視していたのでは、持続性がありません。
 BOPビジネスの典型的なモデルとして、小袋方式がしばしば挙げられますけれども、小袋が大量に廃棄されて環境に悪影響はないのか?市場化することによって、環境破壊はどうなるのか?などなど、環境面からの議論は不可欠にもかかわらず、ほとんど行われておりません。重要な研究課題の一つです。