BOPビジネス、われわれへの恩恵はリバース・イノベーションにあり

 先週、日経新聞の記者の方からBOPビジネスについての取材がありました。そこで話したことが、そのまま今週月曜日8月30日の社説に取り上げられていたのでビックリです。取材を受けたときは、まさか社説のためとは思っていませんでしたからね。BOPビジネスが、日本を代表する経済紙の社説で論じられるまでになるとは、わずか3年前には考えられないことでした。
 この社説のポイントは3つ。BOPビジネスといえば、もちろん新市場の開拓、そのためのコスト削減競争は当然です。そして3つ目のポイントは、リバース・イノベイション。つまり、BOP市場開拓のために、先進国市場とは異なる厳しい条件をクリアしなければなりません。そのためにイノベーションがおこり、その成果はBOP市場のみならず、先進国市場にも逆流するというものです。
 プリンタをBOP市場に売り込もうとしている日本企業があります。ほこりっぽい環境でも動き続けるのか。すぐなくなる上に非常に値段が高いインクを、どのように供給するのか(プリンタ本体を原価割れで売っておいて、インクで儲けるという日本市場でのやりかたは通用しません)。このへんをクリアしたプリンタが、日本市場にも逆流してきて欲しいものです。