本物の大学講義を受講して世界に通じる自分になろう

 ついに大学の講義にも変革の大波がやってきました。これで、しょぼい講義は淘汰されていくでしょう。ながらく、世間から隔絶され独自の進化をとげてきたガラパゴス講義も絶滅の危機です。

 MOOC(Massive Open Online Courseの略、「ムーク」と発音)を受講して、世界標準の大学講義で自分を鍛えよう。これは、ハーバード、スタンフォード、MIT、プリンストン、コロンビアといった世界のトップ大学の講義が、世界中のどこにいても無料で受講できるというもの。1コースの受講者が世界中から何万にものぼり(massive)、誰にでも無料で公開(open)され、ネットを使えれば(online)受講できる大学レベルの授業(course)です。

 競争こそが、成長の源泉。世界中の大学教員が、素晴らしい講義でしのぎを削る時代がやってきました。こわいーねー。日本の若者の皆様、MOOCで、世界に挑戦しよう。なんでも、どの分野でも、本物に触れることが大切。


手っ取り早く、MOOCを日本語で知りたい。→ http://bit.ly/NmkIpW
実際に受講するまでの流れ。→ http://bit.ly/YrUx5o
では、GO MOOC. → http://www.mooc-list.com/

明治時代は福沢諭吉先生の「学問のすすめ」、グローバル時代は黒川清先生の「休学のすすめ」

世界の本物 黒川清先生


 世界を舞台に活躍する本物、黒川清先生(元UCLA医学部教授、元東大医学部教授、元東海大医学部長)の1時間にわたるプレゼンテーションは、感動でした。(1)キーワード、キーメッセ―がはっきりしている。(2)プレゼン・スライドに文字がほとんどない。(2)プレゼン資料を配らない。これらは、インパクト・プレゼンテーションのグローバル・スタンダードです。
 この対極が、日本人のドメスティック・プレゼン。(1)何を言いたいのか分からない。(2)くらくらするほど文字ばかり。(3)ほとんど読まれずに捨てられるプレゼン資料を事前に配布する。
 日本の常識は世界の非常識。日本でのあたり前は、世界では通用しない。何がどう、通用しないのか、日本にいては分からない。仮に頭で分かっても、体で分からない。大学生の皆さん、休学して世界に出よう。いま各分野の第一線で活躍している人は、みな例外なく、若いころに外国に行っているという経験を持っています。これに例外はありません。

天国と地獄は紙一重

 私の大好きな仏教の説話を紹介しましょう。天国と地獄は、実は紙一重だそうです。両方の世界を見てみると、どちらの世界にも、おいしそうな料理が並んでいます。天国の人たちは皆にこにこして食事を楽しんでいます。一方、地獄の人たちは、おいしそうな山盛りの食事を前にして、それを食べることが出来ずに、皆やせ細っています。この違いは何か?

 もう少し、目を凝らして両方の世界を見てみると、違いに気づきます。天国の人たちは、みんなすごく長い箸をもっているので、料理を箸でつまんで自分の口に入れることは出来ません。でも、それを周りの人の口に入れてあげているのです。これに対して、地獄の人たちは、やはり同じく、長い箸で料理をつまんで、それを自分の口に入れようと必死です。しかし長い箸の先に料理があるので、自分で自分の口には入れられません。こうして、いつまでたっても誰も食べることができず、豪華な食事を前にしても、皆ひーひーいっているのです。

 違いは?そう、他の人のことを思う人と、自分のことしか考えない人。他を幸せにする人が、幸せになる。何もないところから事業を成功させた人達が言っている中で共通することは、「どれだけ相手の身になりきれるか。なり切れればなりきれるほど成功度は高くなる」。

BOPビジネス・セミナー 「21世紀型ビジネス成功へのロードマップ」

 激変するビジネス環境。先の予測が困難な中にあっても、21世紀型ビジネスの姿がみえてきています。その一つが、「共有価値の創造」、「企業利益と社会利益の同時実現」、「リバース・イノベーション」といったキーワードで語られるBOPビジネスです。
 今では「議論するBOPビジネス」から「実践するBOPビジネス」、そして「成功させるBOPビジネス」のステージに入っています。本セミナーでは、産官学の3つの視点から討議し、成功へのステップを可視化します。参加者の皆様がセミナー会場を後にする時、具体的な一歩を踏み出すイメージが描かれていることを狙っています。

●共同開催:国際ビジネス研究学会北海道・東北部会、BOPイノベーション・ネットワーク 
●日時:2013年8月2日(金)15時〜18時30分
●場所:北海学園大学7号館2階D20番教室(地下鉄東豊線「学園前」駅3番出口直結 徒歩1分)
●後援:JETRO、JICA
●定員:300名
●参加費:1000円(学生無料)
●プログラム
15:00 開会の挨拶:大石芳裕(明治大学教授、BOPイノベーション・ネットワーク共同代表)
15:05〜15:50 (45分間) 
講演1 増山壽一(北海道経済産業局長)「北海道企業の可能性と課題」
講演2 菅原秀幸(北海学園大学教授)「BOPイノベーションの潮流」
講演3 平本督太郎(野村総合研究所コンサルタント)「成功するBOPイノベーション・モデルとは」
15:50〜16:20(30分間) 基調講演 小田兼利(株式会社日本ポリグル会長)「中小企業にこそ勝機あり」
16:20〜16:35 (15分間)  休憩
16:35〜17:20 (45分間)
講演4 根本裕之(JETRO課長)「BOPビジネス促進事業から得られた知見」
講演5 若林 仁 (JICA課長)「BOPビジネス支援から見えてきた事業化への教訓と課題」
講演6 森 清(経済産業省課長)「中小企業・若手起業家の取組と支援策」

17:20〜17:30 (10分間) 休憩
17:30〜18:25 (55分間) パネル・ディスカッション & 会場との質疑応答(司会:大石)
18:25 閉会の挨拶:岩田 智(北海道大学教授、国際ビジネス研究学会北海道東北部会長)

*登壇者・講演テーマは、案内時点での案であり、変更となる場合があります。

●参加申込方法:http://www.bop-innovation-network.com/ 
        ネットのみでの受付です。
        定員に達しましたら受付ページが閉じられます。

●事務局:菅原秀幸(北海学園大学経営学部) Email: hideyuki@ba.hokkai-s-u.ac.jp
     〒062-8605 札幌市豊平区旭町4丁目1番40号

*BOPイノベーション・ネットワーク(NBI: Network for BOP Innovation - A Global hub for BOP innovation)
1.設立趣旨
「議論するBOPビジネス」から「実践するBOPビジネス」、そして「成功するBOPビジネス」へとステージが移ってきています。本フォーラムは、実践的な知見の発見、創造、蓄積を通して、「成功するBOPビジネス」への貢献を目指します。実際に「BOPイノベーション」を成功させることを目的とします。結果を出す実践志向型ワークショップを隔月で開催予定。
2.共同代表:大石芳裕(明治大学教授)安室憲一(大阪商業大教授)
3.事務局長:菅原秀幸(北海学園大学教授)
4.事務局チーフ:広瀬大地
  事務局:原木英一(明治大学大学院)、舟橋豊子(明治大学大学院)

誰もやってないから価値がある―アカデミック・コーチングへの挑戦

「アカデミック・コーチング」をグーグルで検索してみると、2013年5月に、私たち3人が立ち上げた「アカデミック・コーチング研究会(http://academicalcoaching.org/)」がトップに出てきます。他には、ヒットしません。つまり、これは誰も目をつけてないってこと。やったー、一番乗りだ。

「BOPビジネス」も、2005年ごろグーグルで検索して、まったくヒットしなかったことを鮮明に覚えています。一番最初に目を付けたおかげで、なぜか3流学者の菅原が、BOPビジネス研究の第一人者って呼んでもらえるようになりました。クローズアップ現代にも出させていただきました。

誰もやってないことをやるからこそ価値がある。アカデミック・コーチングを本格的に取り入れて講義を開始したところ、学生の皆様からの反響は大きく驚きました(https://www.facebook.com/GlobalBusiness2013)。これまでの伝統的な一方通行型スタイルに辟易していることがよく分かります。アカデミック・コーチングの領域を確立させて、日本の大学教育の変革にチャレンジします。

実現されないアイディアは、単なる夢物語

 「アイディア自体に価値はない。アイディアは、実現されて初めて価値をもつ。実現されないアイディアは、単なる夢物語に過ぎない。99%のアイディアは、泡のように消えてなくなる」

 これが、スタンフォード大学での研究から学んだエッセンスです。イノベーション研究を目的として、特に途上国でイノベーションをどう起こすかを研究目的として、スタンフォードでの日々を送りました。その結果、得た結論は、アイディア以上に大切なことは、成功するまでやりきるってことです。世界のイノベーションの中心地シリコンバレー、その真ん中にあるスタンフォード大学。ここでは、アイディアを出すこと以上に、それを実現するための挑戦が行われていました。

 アイディアの創造には、努力が必要です。しかし、アイディアの実現は、アイディアの創造より、はるかに困難であり、より一層の努力が必要です。世の中では、新しいアイディアを創造することが大切と考えられ、そこに焦点が当てられがちです。しかし、アイディア自体が目的になってしまっていて、アイディアを出しておしまいということばかりです。例えば、政策提言の研究会はたくさんあって、多くの政策提言レポートが世に出されてきました。ビジネス・プラン・コンテストもあちこちで行われていて、多くのビジネス・プランが出されます。しかし、いずれも、それでおしまい。実現されることはありません。

 結局、「言うは易し、行うは難し」ってことですね。そして、「行う」ってことは、リスクをとって挑戦するということ。最もリスクをとらない人種に属する学者達が、はたからイノベーションを研究して、ああでもない、こうでもないと理屈をこねまわすことに価値を見いだせなくなりました。先日の飲み会の席で、学生の一人からの素朴な質問が耳に残っています。「経営学部の先生方は、あれほどたくさん経営について知識をもっているのだから、自分でやったら成功すると思いますが、どうして自分でやらないのでしょうか?」とっても良い質問ですね。

 それに対する菅原の答えは、「自分でやる勇気がないから、大学に立てこもって、屁理屈をこねているんだよ」。スタンフォードには、世界中から超一流が集い切磋琢磨していました。菅原はここで揉みくちゃにされ、足腰が立たないほどに打ちのめされました。それから半年、アイディアを実現するために、新しい一歩を踏み出します。「実践する学者」と呼んでもらえるようになるために。

良い道具を使いこなそう

 日本に戻って初めて自転車で大学に来ました。以前は30分くらいかかったのですが、今回は爽やかな秋空の下、気分よくこいで20分で着きました。あれ、30分かかっていたものが、どうして20分なんだろう?
 自転車を変えたのです。そのおかげで、以前の重たいマウンテンバイクと違って、すいすい。途中の上り坂も苦しくありません。そうか、こんなに使う道具によって、結果が違うんだ。良い道具を使わないと、いくら努力しても、良い結果は出せないのだ。
 では、いまの大学生が使いこなさなければならない道具とは何か?道具とは、目的を達成するための手段。それは3つ。IT、外国語、コミュニケーション。つまり、IT力、語学力、コミュニケーション力の3つを磨き、良い道具として使いこなすことによって、目的達成にグーンと近づくのだ。